熱中症とは?
通常は活動などより体温が上昇すると、汗をかいたり、体表から空気中に熱を放散することで体温を一定に保つことができます。
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-13.png)
これが、気温や湿度が高くなると、大量の発汗により体内の塩分が減少したり、熱を体外へ逃がすことができず、体内に熱がこもって体温が上昇していきます。
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-15.png)
重要な臓器は37℃以下で働きが良く、体温が上がると働きが悪くなります。
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-10.png)
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-8.png)
また、発汗で体内の水分が減少すると、筋肉や脳、肝臓や腎臓など重要な臓器に十分に血液がいきわたらないため、筋肉が痙攣を起こしたり、意識障害を起こしたり、肝臓や腎臓の機能が低下したりと、様々な熱中症の症状を引き起こします。
今が一番危険な熱中症
梅雨は明けてないのに、連日真夏の暑さが続いていますね。
熱中症は梅雨明け前後にかけて発生件数は急増し、最も危険な時期と言われています。
これは、身体がまだ暑さに慣れていないためと考えられています。暑さが本番となる8月は、身体が暑さに慣れるため熱中症は、むしろ減少する傾向となるそうなのです。
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-1.png)
熱中症の3つの要因
次の3つの要因が絡み合って熱中症を引き起こすします。気づくことが予防につながります。
環境
・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
・日差しが強い
・締め切った室内
・エアコンがない
・急に暑くなった時
・熱波の襲来
からだ
・高齢者
・乳幼児
・肥満
・持病がある(糖尿病、精神疾患など)
・低栄養状態
・脱水状態(下痢、インフルエンザなど)
・体調不良(寝不足、二日酔いなど)
行動
・激しい運動
・慣れない運動
・長時間の屋外作業
・水分補給できない状況
熱中症の予防
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image.png)
何と言っても水分補給と暑さを避けることが大切です!
水分と適度な塩分補給
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-16.png)
・こまめな水分補給を心がける
・適度な塩分も摂る
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-3.png)
・アルコールやコーヒーは利尿作用が高いため、水分補給にはなりません!
・就寝前にも水分補給(熱中症による死亡は約4分の1が夜間)
熱中症になりにくい室内環境
・扇風機やエアコンを使った温度調整
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-6.png)
・室温が上がりにくい環境の確保(こまめな換気、遮光カーテン、すだれ、打ち水など)
・こまめな室温の確認
体調に合わせた予防
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-18.png)
・こまめな体温測定
・通気性の良い、吸湿、速乾の衣服着用
・保冷剤、氷、冷たいタオルなどによる身体の冷却
※効果的な部位:おでこ、あごの下、首の後ろ、脇の下、足の付け根
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-20.png)
・寝不足にならない
・適度な運動や食事で丈夫なからだをつくる
外出時の準備
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-7.png)
・日傘や帽子の着用
・日陰の利用
・こまめな休憩
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-17.png)
・通気性の良い吸湿、速乾の衣服着用
・冷却グッズなどを使う
・飲み物を持ち歩く
熱中症の症状と対処方法
熱中症と言うと、まずは“体温が上昇する”といったイメージがあると思いますが、現われる症状は様々で、体温の上昇を伴わない場合もあるのです。
こんな症状が出たときは熱中症の可能性があります。
分類 | 程度 | 症状 | 救急処置 |
Ⅰ度 | 現場での応急処置で対応しうる軽症 | ■熱失神 顔面蒼白、立ちくらみ、めまい、頻脈、過呼吸などの障害が生じる。 ■熱けいれん 多量の発汗、吐き気、喉の渇き、高めの体温、腹部・上肢・下肢などの局部的なけいれんが生じる。 | ■熱失神 涼しい場所に運び、衣類をゆるめて寝かせ、水分を補給する。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージする。水分補給できない場合は病院へ運び、点滴をしてもらう。 ■熱けいれん 生理食塩水(0.9%)やスポーツドリンクなどを補給する。 |
Ⅱ度 | 病院への搬送を必要とする中等症以上 | ■熱疲労 めまい、疲労感、虚脱感、頭痛、失神、吐き気などの症状。同時に、血圧低下、皮膚蒼白、多量の発汗、高体温(40℃以下) | “熱失神”と同様。 |
Ⅲ度 | 入院して集中治療の必要性のある重症 | ■熱射病 高体温(40℃以上)、意識がない、返事がおかしい、頭痛、めまい、吐き気、全身のけいれん、汗が出ない、過呼吸などの症状が出現。全身の臓器障害を生じ、死亡に至る危険性が高い。 | 身体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ。水をかけたり濡れタオルを当てたりして扇ぐ。首、脇の下、足の付け根など太い血管のある部分に氷やアイスパックをあてる。足を高くし、マッサージをする。 |
江戸時代の熱中症対策
![](http://miurado.com/wp-content/uploads/2023/07/image-5.png)
江戸時代、庶民の暑さ対策は、甘酒を飲むことだったそうです。
甘酒といえば温かい飲み物で、寒さの厳しい真冬に、身体を温めるために飲むというイメージですが、当時は、冷たい甘酒を薬代わりに飲んでいました。のどの渇きをいやすことが目的だったのでしょうが、現代の健康ドリンクのような存在だったと考えられます。
実際、発酵食品である甘酒には不足しがちなビタミンB群と、ほとんど全てのアミノ酸が含まれているので、疲労回復や筋力アップには持ってこいです。
数年前から夏でも甘酒を目にすることが多くなりました。
江戸の人々に習って、熱中症予防に甘酒を試してみてはいかがでしょうか?